地域福祉とは

 「住み慣れた地域でいつまでも住み続けたい」「毎日不安を抱えることなく過ごしたい」「自分のことは自分で
やりたい」人間ならばよほどの事情がない限り誰しも願うことではないでしょうか。


 では、そうなるためにはどうすればよいでしょうか。年齢も若く、体も丈夫で、自由にどこにでも行ける、そんな
恵まれた(普通ともいいますが)環境であれば、特に考えることもないでしょう。しかし、そんな人も確実に老いますし、交通事故などで身体が不自由になるかもしれません。今は何不自由なく自分ひとりの力で(社会生活では自分だけの力でということは不可能ですが)生活できますが、そういう状況に陥るとどうでしょうか。


 社会(地域)の中には高齢や障がいなどで、不自由な生活を余儀なくされている方も大勢おられます。そんな方々も含めて、あくまでも「地域に住むみんなの問題」ととらえ、みんなでやさしいまちをつくっていく考え方を「地域福祉」といいます。道路をつくったり、橋をかけたりすることは住民にはできませんが、隣近所の人を気遣ったり、毎日通学する小学生に声を掛けたり、地区内のおじいちゃん、おばあちゃんの家を訪問しておしゃべりすることで、安心感が生まれます。「ひとりじゃない」と思えます。


 地域(コミュニティ)はみんなでつくっていくものですから、この気持ち(変化)はとても大きく意義深いものです。当然ながら住民活動だけですべてはカバーできません。介護保険制度や障害者総合支援法、その他諸施策とうまく手をつないで、互いに役割を担うことが大切です。


 風邪薬に例えるならば、すぐに効く抗生物質が、制度や施策であり、住民活動が漢方薬なのではないでしょうか。困ったときにはすぐに少しでも身体を安静に保たなければならないので、症状を抑える処方が必要です。ただ、ゆっくりでも体質を改善しなければ何度も風邪に悩まされます。体質を改善すれば強い体になり、いろいろな病気から身を守ることもできます。困ったときのすばやいSOSも、健全な体あってこそではないでしょうか。


 健全な体とは地域に例えるならば、住民同士がコミュニケーションをとり、風通しの良い環境であることだと思います。地域の漢方薬、少しづつでも処方し続ければ、いつかきっと元気なまちになると信じ、これからも熊野市社会福祉協議会は、住民のみなさまと共に地域福祉を推進していきます。